軟着陸する「超高速開発」

日経コンピュータが2012年に仕掛けた「超高速開発」というワード。
大きな特徴は、コーディングレス。リポジトリからコードを自動生成、あるいはリポジトリが実行エンジンと一体化していて、そのまま実行可能。そんなツールを梃子に「超高速」なシステム開発を実現!ほら、お隣の韓国はもうやってるよ!急がないと追いつけないよ!…大枠そんな感じ。

既存のコードジェネレータ的なツールもまるっと「BRMS」と呼んでしまったあたり、大胆な誤認としかいいようがないが、それはさておき僕も当時期待を込めてこのムーヴメントを見ていた一人。もしかしたら、ひょっとして、今度こそは、、、
柔軟で迅速で、それでいて陳腐化しないシステム開発が実現するのではないか。そんな期待感があった。

記事の翌2013年は「超高速開発コミュニティ」が発足したことも手伝ってか、セミナーの規模・集客力もすごかった。年2回やってどちらも早々に満席。

超高速開発・リノベーションフォーラム2013
超高速開発ソリューションフォーラム2013


それからちょっと間をおいて、今年がコレ。

…この枯れ具合。
やはりユーザー企業にビックネームが並んでいないと、こういうセミナーはどこか内輪感が否めない(2013年は日産自動車(ただしリノベーション事例)に東京海上日動、秋はNTTドコモが登壇していた)。ユーザー企業の登壇が少ないし、ベンダーは変わりばえがしない。もちろんまだまだ空席あり。
あの熱気はどこへ行ってしまったのだろうか。

ひとつ確かなのは「超高速開発は(直近の)波に乗りきれなかった」ということじゃなかろうか。そして長期的なトレンドで見ても、コーディングそのものが「悪」なわけではなく、むしろサーバーもネットワーク機器もH/Wは汎用化させて、全部コードで定義しちゃおうという流れにあって、人が書くソースコードの総量は増える傾向にあり、現状業務アプリしか対象としていない「超高速開発」ツール達は、これまでのコードジェネレータとさほど変わらない立ち位置で細々続くのみ、、、のような気がする。