AIに期待すること

最近、AI(人工知能)の可能性と脅威に関する議論がホットですね。AIって何?に深入りするととんでもないことになりそうなので、「人間の知能のはたらきをコンピュータ上に(人工的に)実現したもの」くらいにしておいて、それなりにITリテラシーのある人のイメージする人工知能像をベースに、超さらっと思ったことを書いてみたいと思います。
 
AIの強みは、何といっても大量データ(ビッグデータ)に基づく高速演算と客観的事実の抽出ではないでしょうか。(AlphaGoが理屈は分かんないけど、とにかくこの手をさせば勝てる、という手を繰り出したら、それが人間にはまったく想像もつかない手だった、というのも一例)
対して人間の脳は、「勘」だったり「第一印象」だったり 、省略によって結論に到達するまでのスピード、効率を高めているのが特徴では?(脳はカロリー消費高いから、だらだら演算やってたら飢えてしまう。生きるための戦略としては当然)
 
つまり、
 帰納的アプローチ⇒人間
 演繹的アプローチ⇒AI
 
という棲み分けがベストではないでしょうか。
ただし人間の「省略」には間違ったものも多い。それが「偏見」「思い込み」であったり、週刊誌的報道であったり。(つまり「これはこう」「この人はこう」と勝手なパターンを当てはめてそれ以上考えない。思考停止しちゃう)
 
AIには、人間のそういう浅はかさに対して、違う視点を提供してほしい。「でも、こんなファクトもあるよ?」と提示してほしい。「芸能人の○○がやたらと叩かれているけど、これまで△△等の社会貢献活動をしてきているよ」「人種や性別による差別が労働生産性を低下させているよ。根拠はこのデータとこのデータ、、、」みたいなね。
 
人間に「戒め」を与える存在、とでも言えましょうか。
でも電源オフっちゃうと何も言わなくなるかわいいヤツ、みたいな。誰もが謙虚さ(ある種の畏れ)を忘れず、相手に「自分には見えない部分」があることを意識し尊重しながら生きられる世の中。その実現にAIが一役買っている、そんな未来を個人的には期待しています。