マネージド・クラウドは誰得なのか

残念ながら行けなかった「AWS Summit Tokyo 2014」の講演資料(http://aws.amazon.
com/jp/summit2014-report/?id=mktgmail)や当日のWeb記事を貪り見ている今日この
頃です。
それにしても、相変わらず、クラウドに関する話題は多いですよね。ここ最近で自分が気になったニュースは、例えばAWSの成長鈍化?とか米国政府と米マイクロソフトの係争とか。

AWSの成長鈍化は本当か?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/080100027/

米国企業が運営するクラウドでは、犯罪捜査を理由に米国外データセンターのデータを米国政府が閲覧できるか? 米国政府と米マイクロソフトが係争中
 http://www.publickey1.jp/blog/14/post_244.html

クラウド(ここでは以下IaaSに限定)も他の話題に漏れず、情報の断片はありますが、じゃあ総じて今どんな感じで、この先どこに向かおうとしているのか?ということを把握するのはなかなか難しい。ですが、かの「publickey」で個人的にす
ごくヒットして、腑に落ちた解説がされていたのでシェアします。

ヒューレット・パッカードが低価格のマネージド仮想プライベートクラウド「HP Helion Managed VPC Lean」を発表
http://www.publickey1.jp/blog/14/hp_helion_managed_vpc_lean17000.html

つまりIaaSは二極化していて、AWS・MS・GoogleIBMの四強(一強三弱?)は巨大なエコシステムを形成しつつ、規模拡大と価格競争の真っ最中。一方、四強以外のベンダーは「マネージド・クラウド」という名の自社運用サービスで差別化を図っている、でも自社だけじゃとてもスケールできないからどうするかが課題である、と。
素晴らしい。これ以上ないくらい分かりやすい。「なんでマネージド・クラウドなるものが出てきたのだろう?」と不思議に思っていた自分としては、超納得です。

それにしても、マネージド・クラウドってニーズあるのかな?ユーザー側からすれば、運用アウトソーシングと何ら変わらぬブラックボックスが残るだろうし、結局ベンダーがお守りする基盤がオンプレかクラウドかという違いだけなのではないかと。
直感的には一体誰得なのかが分かりづらいなあ。自分なりに考えてみよう。

まず、エンタープライズITを取り巻く技術要素の「主流」がクラウドに移行すると、相対的にオンプレが割高になることが考えられます。(例えばH/WはFacebookのOpen Compute Projectのような取組みが広がり、ベンダー製は数が出ず量産効果が薄れるので高止まりする)
そこで、積極的にクラウドに移行したいわけではないけど「止むを得ずクラウド」というユーザー企業にとっては、マネージド・クラウドのような「ベンダーにおまかせ」的サービスはありがたい。つまり、今後ぞくぞくと発生するレイトマジョリティの受け皿として有効なのかも、というのが僕の仮説。

…そんなサービスに無駄なおカネかけるぐらいなら、試行錯誤しながらもユーザー企業が直接AWS使えるようになるほうがよっぽどいいんじゃないかなあ、とは思いますけど。